夕方、城ヶ崎海岸を出発してホテルへ向かう私とSちゃん。ホテルは熱川の温泉街の中にあります。何事もなく到着し、チェックインを済ませました。夕食まで時間があったので、お散歩に出発です。海沿いの足湯に入って夕方の海を眺めたり、趣のある旅館を見て「泊ってみたいねえ」などと話したり。小さな酒屋さんを見つけて、夜、部屋で飲もうと日本酒とチーズ鱈(以下チータラと表記)を買いました。日本酒をゲットしてホクホクしながら、そろそろ帰ろうかとホテルへ続く狭い坂道に差し掛かったところで事件が起きます。
爽やかな大室山の風景と共にお送りします
なんと、道幅いっぱいに猿の群れがいたのです…!猿は目が合うと襲ってくると聞いたことがあったので、思わず冷や汗が出てきました。どうもホテルに戻るにはその道しかないようなので、恐る恐る坂道を歩き出します。猿と目を合わさないよう、坂道の脇の植物だけを見るよう努めつつ、足早に歩く私達。猿の群れのそばをすり抜けて、このまま無事にホテルにたどり着きたい…!と思っていると、何やら足首のあたりに気配を感じます。猿たちがぴったり後を着いてきていたのです!!しかも時折、ガルル…という唸り声まで聞こえます。…ひー!怖い!!きっと私が持っているチータラを狙っているのでしょう。観光客が餌付けして、味をしめてしまったのかもしれません。が、餌付けなどしてはいけないと思うし、何より
私だってチータラを食べながらお酒を飲みたい!このチータラは私のもの!君たちに渡すわけにはいかない!!
私vs猿の静かなる戦いの火蓋が切って落とされました。負けねえ…負けねえぞ…!どちらが諦めるか、根競べです。酒瓶とチータラを抱きしめながら歩く私。追ってくる猿の群れ。足首に噛みつかれたら…という恐怖に駆り立てられ、我知らず歩くペースが速くなっていきます。 緊迫の坂道を登り切り、ホテル正面に着くと、猿たちは諦めて去って行きました。勝者、ゆ屋!!最終的にかなりの早足になっていた私は、Sちゃんを置き去りにする勢いで歩いてしまったことをとても申し訳なく思いました。Sちゃん、ごめんね。(※私と違って、Sちゃんは堂々と急ぐことなく歩いていました。すごい。)もうニホンザルをかわいいなんて微塵も思えなくなりました。猿こわい。
秋は草の色がくすみます
夜は夕飯の後、温泉に入り、部屋でまったり。猿から守り抜いた酒を開けようかと思っていると、外でドン!という音がしました。花火が始まったのです。部屋の位置・高さ共に花火を見るのに申し分なく、花火大会があると知らずに来た私達はとても嬉しくなって見入りました。花火の後は、お酒とチータラを開けます。やっぱり日本酒は美味しい。チータラも好き!猿の圧力に屈しなくて良かった…!!Sちゃんと仕事のことやらいろいろ話しているうちに、話題は共通の趣味・へヴィメタルへ。二ヶ月後の9月にフィンランドのバンド、コルピクラーニが来日することを思い出し、急遽ライヴのチケットを手配。未来に楽しみが出来たことで益々酒が進み、一日目の夜は更けていったのでした。
2014年時点では頭が緑だったオームロくん
つづく
Comments