前回までのあらすじ 成田空港を飛び立ち、長崎は佐世保市にやって来たゆ屋と友人Rちゃん。お天気は曇り…かと思いきや雨がぱらつくことも。果たして長崎旅行2日目のお天気はいかに!?
朝、目が覚めてすぐカーテンを開けると…
はい、雨ですねー!
何を隠そう、本日は九十九島観光公園に行って、「青空ときれいな海と九十九島」の素晴らしい眺めを堪能しよう!と計画しておりました。それがこのお天気ではね…。二人してしょんぼりしつつ、とりあえず昨夜買っておいた朝食をモソモソ食べます。食べながら、駅で見つけた佐世保観光の冊子をめくっていた所、何やら近くに「万津6区(よろづろっく)」なるおしゃれエリアがあることが分かりました。もしかしたら…もしかしたら午後から晴れるかもしれないし!という一縷の望みをかけて、ひとまず午前中はその辺をお散歩してみよう、ということになりました。 また、夜までに佐世保から長崎市内に移動したいので、予めバスを確保。チェックアウト後、ホテルのフロントで荷物を預かっていただき、いざお散歩へGO!相変わらず小雨が降っていましたが、それでも時々青空がのぞくことがあり、これは本当にもしかするかも…!などと二人で話しながら件のおしゃれエリアへ。
ホテルを出て徒歩約10分。グーグルマップを頼りに「このあたりのはず!」とテクテク歩いていて、ふと顔をあげたらでかでかと万津6区と書いてありました。おお、なんて分かりやすい!こちらの建物には、雑貨屋さん、カフェなど複数店舗が入っているとのことでしたが、ちと時間が早かったため建物の入り口が閉まっていました。周辺にもいろいろなお店があるようだったので歩き回ってみることに。
少し歩くと、「manto」という看板のあるお店を見つけました。どうやらこちらでスクリーンプリントを体験できるらしいことが分かり、俄然興味が湧いてきました。「予約優先」という張り紙がありましたが、外から店内を見た限り誰もいません。恐る恐る入店し、店員さんに聞いてみると、すぐに体験できるとのこと!お店にはサンプルが多数展示されており、ますます気になります。価格は版の大きさにもよりますが、ぶっ飛んで高いわけでもなかったので二人で体験させていただくことにしました。 体験内容は、それぞれサイズを選んだ真っ白なTシャツに、自分の描いた絵をプリントするというもの。まずは原画を描き、それを特殊なプリンターで出力して版にしてもらいます。版は「ものすごーく目の細かい網戸」といったかんじで、光にかざすと、自分の描いた絵が薄っすら見えます。 どういう方法でこの網でTシャツにプリントするのか店員さんに尋ねたところ、 ・この目の細かい網に、描いた絵が小さな穴となって出力されている。 ・この網を専用の枠にはめ、ピンと張り、Tシャツに置く。 ・網にインクを置くと、小さな穴を通ってインクがTシャツに載り、絵がプリントされる。 とのことでした。フーム、なるほど…理屈は分かった気がする。
とにかくやってみよう!!
そして完成したものがこちら。
スペイン語で書いてある通り、「私の魚(Mi pez)と私(Yo)」です。どういうことなの…と思った読者のみなさんの怪訝そうな顔が思い浮かびます。ゆ屋は長年金魚を飼っており、彼の名は「うすい」と言いました。推定20年近く生きましたが、2年前、病気で他界。「たかが魚」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ゆ屋にとっては長い時を一緒に過ごした家族であり、友人です。ワーキングホリデーでスペインに行く時もうすいの遺影を持っていきましたし、今でもうすいに会いたくて悲しくなります。いつか私がポックリ逝ったら、きっとまた会える。そのときまで、このTシャツでずっと一緒に居よう。そんな思いを込めて、このデザインにしてみました。思いが重いですかね笑
ちなみにインクの色は自由に選べます。鮮やかな緑、黄色、シックなネイビーなどなど、色によって雰囲気が大きく変わりますし、悩みどころですね。最後にドライヤーでインクを乾かし、体験は終了です!一日くらい自然乾燥させてから着た方がいい、とのことでした。完成したTシャツを受け取り、お会計を済ませ、お礼を言ってお店を出ると、道路が乾いてほんのり青空がのぞいていました!おお!!?これは九十九島観光公園に急ぐべきでは!?と舞い上がったRちゃんとゆ屋は佐世保バーガーを購入し、バスに乗り込みます。素晴らしい眺めを楽しみながらおいしい佐世保バーガーを食べよう!というわけです。
が、そううまくは行かないもの…
雨! そして強風! 極めつけは雨風をしのげる場所がないこと!
佐世保駅前は晴れてきていたのに!!くそー! …などと言っても何も始まらないし、時刻は14時近かったため、ベンチを拭き拭き、傘を差してバーガーを食べ始めました。吹き付ける雨に濡れ、風で傘を吹っ飛ばされそうになりながら「佐世保バーガーうまいな!」などと言っている人はなかなかいないでしょうね。 そんなシュールで過酷で美味しいランチタイムを終えた私たちは絶望しました。
次のバスまで1時間半以上…。雨に濡れ、体は冷える一方。歩いて行ける範囲に雨風をしのげそうな場所はない。これでは風邪をひいて旅行どころではなくなってしまう!どうする…!と悩める私たちの目に、駐車場の向こうにあるプレハブ小屋のようなものが見えました。どうやらお手洗いのようです。だだっ広い駐車場には2、3台の車が停まっているのみ。人がたくさん来ることはなさそうだし、とにかくあのお手洗いに避難しよう!
…というわけで行ってみたらこれがまた大正解でした。めちゃくちゃきれいなお手洗いで、出入り口に扉が付いているので雨風が吹き込みません。個室が4つほどあり、なんと全て暖房便座!人が来たら速やかに出ていこうと二人で話し合い、暖房便座で暖をとらせていただきました。 1時間ほど立てこもってジーンズを乾かし、外に出てみたら曇ってはいましたが雨がやんでいました!(※1時間の間に人は1人しか来ませんでした)せっかくだし、記念写真撮ろうぜ!とはしゃいでいたらあっという間にバスが来る時間に!こうして九十九島観光公園での過酷でシュールな時間は終わったのでした。
佐世保駅の少し手前で下りて商店街を見つつ、駅に戻ってきました。高速バスに乗り込み、あとは長崎市内まで一寝入り。はてさて、明日の天気はどうなることやら…。
おまけ
九十九島観光公園にて発見したこちら。なんだと思いますか?
スマホを支える溝がある撮影台なんです!天板部分が回転するので、好きな方向に向けて写真撮影ができる優れものですよ!スマホをセットして、タイマー機能をON!あとは好きなポーズをとるなりジャンプするなりして、九十九島の美しい景色を背景にした写真が撮れるわけです。 曇り空の下で見た九十九島もきれいだったので、晴れていたらもっともっときれいなのでしょうね。う~ん、晴れ女になりたい!
つづく
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